こんにちは!ウチキフィルムの丸山です。
普段は写真撮影を担当しておりますが、新生児期の赤ちゃんとご家族を写真とムービーでも撮影しています。
今回は、私がなぜ新生児期の撮影をしようと思ったのか、
赤ちゃんだけでなく、ご家族も撮影しようと思ったのはなぜなのか?
そして何をしたいのか?
を書いてみようと思います。
少し長くなりますが、自分の経験がもとになっており、つらつらと思うままに書いてみました。
ご興味のある方は読んでいただけると嬉しいです。
妊娠までの道のり
私は2年弱の不妊治療の末に、40歳で娘を出産しました。
まずは不安だらけの不妊治療を開始。
そもそもクリニックに通うまでもうじうじ時間がかかってしまいました。
親友や親族が治療していたので、包囲網が狭まってきたなぁという感じでようやっとクリニックを予約してみました。
初日の検査は待ち時間合わせて3時間!座る場所がないくらいクリニックの待合室は混み合っている。
通い始めてからもいつ終わるかわからないし、いくらかかるかわからない。
通院するたびに採血して、長い待ち時間に耐え、万単位でお金がかかっていく。。
治療開始は38歳の時。
担当医から40歳までには卒業しましょう と目標を立ててもらって、その言葉通り、採卵2回、移植3回目の39歳でぎりぎりで卒業。
嬉しかったのはもちろんですが、クリアした!という”やり遂げた感”がありました。
毎日のように通っていたけどもう通わなくていいんだ!という清々しい気持ちにもなりました。
10ヶ月の妊娠期間
妊娠してから10ヶ月はお腹の中にもう1人の人間がいるという不思議な状態での生活。
最初の頃は、まだお腹にいてくれてる?っていう不安がありました。
次の健診が途方もなく遠く感じる。。
なんとか安定期に入ってからもやっぱりずっと不安。
ちゃんと育ってる?今日は胎動がおとなしい‥?などなど。
お酒も生ものも大好きな私としては我慢の日々でもありました。
(お酒は不妊治療中も控えるようにしていたからもっと長い‥涙)
出産したらすぐにお刺身も生ハムも、たまごかけご飯も食べるんだ!!と、心に決めていました。
撮影のお仕事は出産の2ヶ月くらい前までさせていただきました。
お腹が大きいのが目立ってくると、お客さまに気遣わせてしまうし、身体を使う仕事なのでもしものことを考えるとセーブせざるをえない。
産休に入る直前、妊娠8ヶ月くらいの時に、ウチキフィルムのリピーター様で結婚式からこれまで何回も撮影させていただいたご家族の、第二子出産前の記念の家族撮影をご依頼いただいたのがとても嬉しくて、良い思い出です。
ママも私も妊娠8ヶ月。
マタニティ撮影を妊婦がしているという。。側から見たらちょっと面白い光景だったかも知れません。
無事に出産されて、うちと10日違いでお子さんが爆誕。
「同志」という感じがしてとても嬉しかったです。
既に上のお子さんがいらっしゃるので、いろいろと情報を参考にさせていただいて、とっても心強い存在です。
いろんなことに気をつけて、我慢もたくさんする10ヶ月。
でも全ては無事に出産するため。
余談ですが、産院を選ぶ条件として、無痛分娩ができるところ というのが必須でした。
「出産ってとんでもなく痛い。鼻からスイカが出るくらい痛いんだって」ときいてからは小さいころ知ってから、絶対出産なんてするもんか!
って思っていました。笑
無痛分娩ってよく聞くようになって、「あ これだったら自分も出産できるかな」って思いました。現代の医学と、世間の波の恩恵を受けられてよかった。涙
(私が出産した病院では正確には「和痛分娩」としていました)
妊娠出産は数字にすると数パーセントの積み重ね。
(これは通っていたクリニックの担当医がよく、確率のお話をしてくれていたのです。これは必要以上に自分を責めたりすることはなくてよかったと思っている)
だからよく、「神秘的」という言葉が使われるんだと思います。
「神秘的」ってあまりにも言われすぎていて、なんだかこう言っとけばいいよねっていう雰囲気すらある気がするんですが、やっぱり数字を見てみても、「神秘的」なんだなって納得します。
でも、あんまり「神秘的」って簡単に使いたくない、私はそういうあまのじゃくなところがあります。
ご了承ください。笑
出産!
元気な泣き声が聞こえた時はもうもう、ほっとしました。
全てはこの瞬間のため。
助産師さんが赤ちゃんを隣に置いてくれて、私のiphoneで写真とムービーを撮影してくれました。
このはからいに感謝。
赤ちゃんとの対面に感動して涙が出るということは無かったけれど、とりあえず一安心一安心!
お腹の中にいる時には声を聞くことはできなかったのに、外の世界に出たらすぐに泣き声を出せるなんて 不思議!
ずっとお腹の中にいたあの子が隣にいるよ!!不思議!
本当にガッツだよ!笑
(生まれた直後に撮影していただいた写真)
退院
コロナ禍での妊娠出産。
出産した病院が発熱外来をしていたこともあって立ち会い出産や入院中の面会は不可。
退院時に病院まで迎えにきてもらって、そこで夫と娘は初めて会うことになりました。
夫はとても感激していて、涙ぐんでいたように見えました。そして小さな小さな娘を恐る恐る抱っこしました。
その時iphoneで撮ったムービーは宝物。
タクシーを降りると、自宅近くの花壇にはつつじが満開。
つつじの花道を歩きながら、娘の誕生が世界に歓迎されているような感覚になりました。
あの時の光景はとても美しくて忘れることはないだろうと思います。
産後は交通事故にあったのと同じくらいのダメージが残ると言われていますね。
帝王切開の場合は更に傷の痛みが加わって大変だとききます。
(その点では私は和痛分娩だったのでダメージは軽かったと思います)
そして精神的にも不安定になると言われている時期でもあります。
そんな身体と精神状態で大海原に投げ出されるような感覚で5日間の入院生活を終え、自宅での育児がスタート。
コロナ禍で、高齢、遠方に住んでいる母親は来ることを諦め、夫と2人で生まれたばかりの娘との生活を送ることになりました。
(入院中に撮影 産まれてすぐ指をくわえ始めて、今でも同じ指をくわえている‥)
爆速で過ぎていく日々
新生児との生活は、毎日が爆速で過ぎていきます。
産後1ヶ月は家事を頼む!と妊娠中から夫にお願いしていたので、家事的なものはほとんど夫がやってくれました。
仕事をしながら‥ ありがたや。。
なのに、1日があっという間。
授乳、ゲップ、おむつ替え、寝かしつけを2-3時間毎に繰り返す日々。
昨日何をしていたのか、今日が何曜日なのか?思い出さなくても良いし、関係なく日々は過ぎていきます。
出産まですんごく長かったのに、生まれてからは早過ぎない??
って思います。
この比率、納得いかない。と。
私の場合不妊治療に2年ほどかかって出産まで10ヶ月だから、合計3年くらい。ということは3歳にならないと釣り合わないよ。。
そんな事を考えている間にも成長していく我が子。
スマホで写真とムービーはとにかく撮っておこうと決めていたので、とりあえず撮りました。
「かわいい」と思う前に。
「かわいいと思う前に」というのを結構大事にしていました。
とりあえず 「あ」 と思ったら撮る。機械的に撮る。
実は、”新生児”というこの世に出てきたばかりの生き物が少し怖かったというのが本当のところ。
片目をつぶったままだったり、自分の目を指で垂直に掻いているし、指入っちゃってない?
これって大丈夫なの?って心配したり、
何をするにも力加減がわからなくて、首が座っていない不安定感、ちょっと力を入れたら怪我をさせちゃうんじゃないか?などなど。
もういろんなことが見慣れないし、不安だしで、ちょっとした恐怖を感じていました。
でも落ち着いた今、振り返って考えると、産後はやっぱり気が張っていたなぁと。
とにかく毎日ちょっとイライラしている。イライラを表に出さないようにして疲れる。
そして眠い。
そういう感じでした。
眠いって一番精神面によくないって知っているけど、やっぱり充分に眠ることなんてできないんですよね。。
そんな時でも機械的に撮っていたからこそ、いろんな表情の娘が残っているのだと思います。
この頃に撮影した写真やムービーは、余裕ができてきた今見ると、素直に「かわいい」と思うし、本当に撮っておいてよかった!と思います。
特にムービーは新生児期特有の動きや音が残るので、この時期を存分に残すならムービーは必須だと思いました。
でも赤ちゃんの写真や動画はたくさん残っていても、夫や自分の姿が写っているのはほんの少し。
あんなに協力しあって過ごした日々。。
特に自分(母親)の姿は激少ない。。
これは悲しいことに、ママあるあるだと思います。
もっと撮っておけばよかったと後悔。。
新生児の姿と同じくらい、この時期のママの姿は貴重だと思うんですよね。
子どもにとって、自分にとって、家族にとって大切なもの。
(夜間授乳時になんとか撮影)
家族全員にとって貴重な28日間
新生児期のお世話って、慣れることはない。
だって「日常」って言えるくらいに慣れる頃にはもう新生児ではなくなっているから。
だから、この貴重な新生児との生活を残したいと思ったのです。
残しておいて、後でたくさん見返して欲しい。
「産前産後の恨みは一生」ということばをきいたことがあります。
でも逆に、産前産後に素晴らしい記録が残れば、それは家族として素晴らしい記憶となっていくのだと思うんです。
それが家族として丸く、大きくなっていくための糧となるはず。
だから、新生児の赤ちゃんの姿はもちろん、家族で懸命に過ごした新生児期をまるまる撮影したい。
もっと自分も一緒の写真を撮っておくんだったという後悔する人を減らしたい。
成長した子供と、新生児期を一緒に戦った家族と一緒に見返して、たくさん話をして欲しい。
そして自分と、自分の家族をもっと好きになって欲しい。
そんな写真とムービーをお届けしたいと思っています。
これが私が新生児期の赤ちゃんと家族の撮影をしようと思った理由です!
出産してからというもの、家族撮影の時にはママを「同志」と思い、親みと労いと尊敬の気持ちを持って望んでいます。笑(勝手にすみません)
とっても長い文章を最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。
退院してすぐに撮影した、娘も一緒に写るはじめての家族写真。
自分で用意してセルフでなんとか撮影。とっても大変でしたが良い記念になりました。
撮影の際には「ご家族にとっての宝物になりますように」と思いながら、必ず家族写真も撮影させていただいています!
ウチキフィルム 丸山慶子
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